レビュー|『グッゲンハイムの謎』不思議な頭脳を持つテッドの謎解き第2弾

グッゲンハイムの謎の表紙タイトル

こんにちは。ルーシーです。

「グッゲンハイムの謎」は、ロビン・スティーヴンスによるミステリー小説です。

この小説は、シヴォーン・ダウドの「ロンドン・アイの謎」の続編であり、舞台はロンドン・アイから3ヶ月後のニューヨーク、グッゲンハイム美術館の中

グッゲンハイムの謎の原題

1枚の絵が盗まれた事件を、テッドたち3人の推論力と観察力を駆使し、真相を解き明かしていきます。

書籍情報

タイトル:グッゲンハイムの謎

原題:The Guggenheim Mystery 

著者:ロビン・スティーヴンス/Robin Stevens 

原案:シヴォーン・ダウド/Siobhan Dowd

訳者:越前敏弥

出版社:東京創元社

発売日:2022年12月9日

ページ数:ページ

原案はシヴォーン・ダウド、完成させたのはロビン・スティーヴンス

2007年、シヴォーン・ダウドは「ロンドン・アイの謎」を発表しました。

ですがその2ヶ月後、乳ガンのため逝去。

47歳の若さでした。

その後2015年、シヴォーン・ダウド基金よりロビン・スティーヴンスへ続編の執筆が依頼されます。

そしてついに2017年、イギリスで「グッゲンハイムの謎」が刊行。

グッゲンハイム美術館の簡単な紹介

⚫︎コレクション

ソロモン・R・グッゲンハイム財団の現代美術コレクションが収蔵。

⚫︎設計者

アメリカ人建築家フランク・ロイド・ライト

⚫︎完成

1959年ニューヨーク市五番街に完成。

⚫︎分館のある場所

  1. イタリアのヴェネチア
  2. スペインのビルバオ
  3. アラブ首長国連邦のアブダビ(2025年完成予定)

ニューヨークでは自由の女神と並ぶ有名観光スポットであり、歴史的重要建造物。

建物の中は円形で、らせん状のスロープがある。

グッゲンハイム美術館の中

主な登場人物

  • テッド・・12歳(弟)
  • カット・・14歳(姉)
  • サリム・・13歳(いとこ)

ストーリーの概要

この小説は、前作「ロンドン・アイの謎」から3ヶ月後のニューヨークが舞台

テッドは姉と母と一緒に、叔母とサリムの住むニューヨークへと遊びにいく。

グッゲンハイムの謎・ニューヨーク

叔母さんはグッゲンハイム美術館の主任学芸員なので、休館日に特別に叔母さんによる「プライベートツアー」が開催される。

中は改装中ということもあり、多くの作業員が修理をしている。

すると急に白い煙と匂いがしてきて、テッドは「何か燃えている!」と叫ぶ

グッゲンハイム美術館・煙

急いでみんな館外に出るが、それは見せかけの火事で、

その隙にカンディンスキーの「黒い正方形のなかに」という絵が盗まれていた。

グッゲンハイムの謎・絵が盗まれる

そしてその後、どういうわけか叔母さんが犯人と疑われ、逮捕される

叔母さんが盗むわけがない!

絵を取り返し、おばさんの無実を証明するため、テッドたちは事件の謎解きを開始する

テッドの脳

テッドは自分で自分の脳を「僕の不思議な脳」と言っています。

その特徴は

  • 誰も気が付かないことに気がつくことができる。
  • 物事のつながりが見える。
  • 見るもの全てにパターンがあると思っている。

テッドたちは、情報を収集し、絵を盗んだかもしれない犯人8人をリストアップします。

そして一人ひとりに「その時間に何をしていたか」を聞いて回る。

テッドの心を知るために、ロビンさんは東田直樹著「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」KA・ヨシダ/デイヴィッド・ミッチェル訳を参考にされたそうです。(作者あとがきより)

まとめ

ロンドン・アイの謎」の時はテッドとカットが奮闘しましたが、今回はサリムも加わり3人での謎解きです。

ロンドンアイの謎

謎解きの特徴は、「消去法」。

そして違うと思ったら、1人ずつ外していく。

あとシャーロック・ホームズの言葉も思い出しながら推理していきますよ。

「すべてを消去して残ったものは、どんなにありえそうもないことであっても、まちがいなく真実だ」

「グッゲンハイムの謎」p244 架空の探偵・シャーロック・ホームズの言葉より

やっぱり子どもたちは、誰かの言うことをちゃんと聞いて、そして行動もよく観察していますね。

8人のリストアップ者から、どのような消去法で犯人に迫っていくのか。

3人の団結力も見ものです。

それではまた。