『メナハウス・ホテルの殺人』感想。エジプトの高級ホテルが舞台のミステリー

「メナハウスホテルの殺人」アイキャッチ

こんにちは。ルーシーです。

米国人作家エリカ・ルース・ノイバウアー著『メナハウス・ホテルの殺人』を読みました。

メナハウスは、現在もエジプトのカイロ近郊ギザにある実在の老舗高級ホテル。

さらに砂漠の真ん中にありながら、プールやゴルフ場も完備されているという贅沢三昧のホテル。

もともとは王さまの離宮で、狩猟用のロッジだったのを1886年にホテルとして開業。

大戦中は、オーストラリア軍の病院として使われていたという長い歴史も持っている。

メナハウスホテルの殺人の原題
原題

この物語の時代背景は、先の大戦が終わってから8年後の1926年。

ピラミッド群を一望できる、この素晴らしきメナハウスを舞台に、不可解な殺人事件が巻き起こるミステリになっています。

書籍情報

タイトル:メナハウス・ホテルの殺人

原 題:Murder at the Mena House(2020年)

著 者:Erica Ruth Neubauer

訳 者:山田順子

出版社:東京創元社

日本初版:2023年2月10日

創元推理文庫:406ページ

「メナハウス・ホテルの殺人」でアガサ賞の最優秀デビュー長編賞を受賞

メナハウスの宿泊者|主な登場人物

  • ジェーン:主人公
  • ミリー:ジェーンの叔母さん
  • レドヴァース:自称銀行員
  • ステイントン大佐:アンナの父
  • アンナ:ステイントンの娘

ジェーンは作中では「寡婦か ふ」と表現されています。

寡婦 か ふとは

夫と死別または離婚してのち、再婚しないでいる女性。未亡人。

明鏡国語辞典より

ジェーンは戦争で夫を亡くし、22歳で寡婦となりました。子どもはいない。

今は30歳。

そのため叔母から再婚を勧められるシーンが何度か出てきます。

あらすじ|アメリカからエジプトへ

ある日、主人公のジェーンは、父の妹であるミリー叔母さんからエジプト旅行に誘われる

ミリー叔母さんは、結婚してから上流階級の一員となったため、とても裕福な人。

そんな叔母が費用は全部持つからと言うので、ジェーンは喜んで旅の提案を受け入れる。

ピラミッドが見えるメナハウスに到着

着いた早々、2人はお酒を楽しむ。

メナハウスホテルの殺人のテラスで食事

アメリカは禁酒法の時代。エジプトでは、失明する危険のない本物のお酒が飲めるということで、2人にとってはお酒も楽しみの一つとなっている。

すると1人のハンサムな紳士に声をかけられる。その男は自称銀行員と名乗るレドヴァース

怪しさ満点。だがのちにジェーンの探偵仲間となる。

ホテル滞在から3日目、ジェーンは殺人事件の容疑者となる

上流階級が利用するメナハウスは、バーでもテラスでも、すれ違う廊下でさえも、あらゆる場面が社交の場。

長期滞在ともなると、自然と顔見知りになっていくもの。

そんな滞在3日目、

顔見知りとなった男に頼まれて、ある部屋に入ったところ、死体の第一発見者となってしまう。

メナハウス・ドア

頼まれて入っただけなのに、いろんな憶測で殺人犯と疑われてしまうジェーン。

警察に自分は犯人じゃないことを散々説明するが、ついにお決まりのセリフを言われてしまう・・・

「今朝午前五時ごろ、あなたはどこにいましたか?」

もしかしてわたし死刑になるの?怖くて息が詰まりそうになる。

事件だけではなく、ピラミッドを見に行くシーンもある

ジェーンに容疑がかかったため、ホテルから出ないよう警察から忠告を受ける。

でも気分転換にと、こっそり自称銀行員のレドヴァースがピラミッドを案内してくれた。

まずは最古で最大のクフ王のピラミッドを見学!

地元ではケオプスと呼ばれているという。

ケオプス(cheops)は(khufu)クフのギリシャ語読み

メナハウスホテルの殺人のラクダ

建造されたのは紀元前2500年

もともとはピラミッド全体が石灰石の化粧壁でおおわれていたけれど、長い歳月の間に少しづつはがれ、今の形となる。

ジェーンたちはピラミッドの中に入ったり、ラクダに乗ったり、エジプト博物館を見学したり、この時ばかりは容疑者であることを忘れ、楽しんだ。

いい人に見えても「裏の顔」がある

人は見たままの人物であるとは限らない

そう、犯人には裏の顔がある。

誰かについて知っているつもりでも、その人が隠したがっている裏の部分はわからない。

それは悪い意味での裏の顔もあれば、秘密や過去を守り通したい裏の顔もあり、いろんな裏と表がこのストーリの人物たちを通して描かれています。

まとめ

やっぱりまずは、この素敵なメナハウスに宿泊してみたい!とそう思いました。

部屋から眺めるピラミッド、夜景とかさらに美しそうです。

ギザのピラミッドのライトアップショー

このストーリーは殺人事件は起こるけど、気分が悪くなるような描写はないので、安心して読むことができますよ。

そしてエジプトの考古学的なこと、発掘された歴史的遺物のゆくえ、1920年代当時の英国政府とエジプトの関係など、これらにも裏と表を垣間見ることができます。

次回作、第2弾は舞台がイギリスに変わるようです。これもまた楽しみです。

それではまた。

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ルーシー
読書好きの主婦です。絵画鑑賞や植物園、遺跡や占いが好きです。このブログは本の感想を中心に、行って良かったところ、素敵だなと思ったことなどを書いている雑記ブログになります。