小説『ブラックサマーの殺人』の読書感想

こんにちは。

イギリスのカンブリア州を舞台にした「ブラックサマーの殺人」を読みました。

これは「ストーンサークルの殺人」に続く第2弾主人公は刑事ワシントン・ポー。

「国家犯罪対策庁の重大犯罪分析課」に勤務しているので、関わる事件はおぞましいものばかり。

今回は過去と現在が入り混じる、綿密に計算された事件でした。

書籍情報

タイトル:ブラックサマーの殺人

原題:Black Summer(2019年)

著者:M・W・クレイヴン

訳者:東野さやか

出版社:早川書房

発売日:2021年10月25日

文庫本:622ページ

シリーズの順番

  1. ストーンサークルの殺人
  2. ブラックサマーの殺人(本作品)
  3. キュレーターの殺人

1作ごとにストーリーは完結するので、どれから読んでも大丈夫ですが、前作の「ストーンサークルの殺人」では主人公ポーの生い立ちや、バディ(相棒)となる分析官ティリーのことなどに詳しく触れてあります。なので順番に読むほうがより楽しめると思います。

主な登場人物

ポー:重大犯罪分析課の刑事

ステファニー:同課警部

ティリー:同課分析官

エステル:病理学者

キートン:天才シェフ

エリザベス:キートンの娘

あらすじ

6年前、自分の娘を殺した罪で、ある有名なシェフが逮捕された。

捕まえたのはポー刑事。

この事件は「死体がない殺人事件」として有罪となった。

ところが数日前、殺されたと推定されたその娘が生きて帰ってきた。

娘が現れたことで、当時のポーの捜査方法が疑われ始める。

もしかしてこれは冤罪なのか。

分析官ティリーも加わり、徹底的な再捜査が始まる。

今回ポーが対決する相手はイギリスが生んだ天才的シェフ

カンブリア州で唯一、三つ星を認定されているレストラン「バラス&スロー」

ここは映画スターや元大統領らの著名人が通う有名なレストラン。

店のオーナーは料理界の王として君臨し続けている、ジャレド・キートンという天才シェフ。

教養もありカリスマ性のあるキートンだが、ポーは彼のことを一般人に交じって生活するサイコパスだと確信している。

果たしてポーの刑事としての勘は当たっているのか。

今回も超高額な装置を使って事件を追う

「ストーンサークルの殺人」のときは

マルチスライスコンピューター断層撮影装置」という、身体の3D画像を作成し、どんな傷なのか、いつついた傷なのか、などが割り出せる高額な装置が使われました。

今回は「液体クロマトグラフ質量分析法」という、すべての化学物質を特定できる装置を使用。

これで何を調べるかというと、生きて帰ってきた娘の血液

本当に同じ人物なのか?

これにより、証明したかったものは見つからなかったけど、予想外の不思議なものが発見されることになります。

それが、今回の「ブラックサマー」というタイトルに結びついているという・・・。

まとめ

今回はポー刑事にとって冤罪がちらつく、あってはならない危機におちいりました。

ちょっとした手がかりも徹底的に調べないと、天才シェフの仕掛けた罠から抜け出せません。

そして事件というものは、決して1人では解決できない。

いかに多くの人の協力を得るかも、大事な要素。

分析官ティリーはもちろんのこと、今回は病理学者エステルの活躍も大きく、徐々に真相に近づいていく様子は緊張感たっぷりでした。

さいごに

第1弾のストーンサークルのレビューも書いています。

よろしかったら読んでみてください。

それではまた。

thank you