こんにちは。ルーシーです。
フランスの小説「子供が王様」を読みました。
子供が王様って、わがままな子どもが主役なのかなと思っていたら、全く違っていました。
この本はSNSという現代における日常、プライバシーの露出が人生にどんな影響をもたらすのか、という興味深いテーマでした。
著 者:デルフィーヌ・ド・ヴィガン
翻 訳:河村真紀子
出版社:東京創元社
発売日:2022年8月31日
主な登場人物
- メラニー:サミーとキミーの母親
- ブリュノ:サミーとキミーの父親
- サミー:兄8歳キッズインフルエンサー
- キミー:妹6歳キッズインフルエンサー
あらすじ
「いつか必ず有名になる」という夢を持つ母メラニーには
サミー(8歳)と
キミー(6歳)の2人の子供がいる。
2人はすでにYouTubeの登録者数が500万人のキッズインフルエンサー。
幼少期から動画配信で人目にさらされ、一体どちらがリアルの生活なのかわからなくなってくるほど。
ある日かくれんぼ中に妹のキミーが行方不明になる。
どんなに探しても見つからない。
5日目の朝、ついに犯人からの脅迫状が届く。
犯人は誰?金目当て?成功者への嫉妬?恨まれるようなことをした?小児性愛者?
過度なプライバシーの露出がもたらす影響が、何か事件と絡み合っているのか?
パリ司法警察局も動き出す。
トゥルーマン・ショー 症候群
常に自分が誰かに撮影されていて、その一瞬一瞬が切り取られ放送されていると思い込んでいることを、トゥルーマン・ショー 症候群 というそうです。
いったん始めてしまったチャンネルは登録者が多くなるにつれやめられなくなる。あらゆることがネタであり、あらゆる時間が撮影時間。
幼少期から始めていたら、日常生活に与える影響はかなりのものになるでしょう。
この物語は、ある一家の一つの結末を見せてくれます。
母親のメラニーは完全にネットの世界に依存しているけれど、その世界にまったくなじみたくないというもう1人の人物も登場します。
真逆の2人があってこそ、このストーリーに深みが増したと感じました。
まとめ
SNSの世界は現実にとても近くプライバシーの境界線も曖昧。
行きすぎると崩壊に向かう怖さもある。
ただし、人と人とを繋いでくれる素敵な場所でもある。
それではまた。