『不滅の子どもたち』感想。自分の寿命を予言されたら人生変わってしまうのか?

不滅の子どもたちカバー

こんにちは。ルーシーです。

アメリカの小説不滅の子どもたち」。占いが好きなので興味を持って読んでみました。

不滅の子どもたち
訳:不滅の者たち
著 者:クロエ・ベンジャミン
訳 者:鈴木潤
出版社:集英社
発売日:2021年4月30日
単行本ページ数464ページ

この本のストーリーは、

4人きょうだいが好奇心で占い師のところへ行き、自分が死ぬ日を教えてもらう

というお話です。

興味深いところはお小遣いをかき集め、占い師を探し出し、自ら聞きに行ったというところ。

自分の運命に強烈な興味があったのでしょう。

ですがきょうだいの中にはそんなの知りたくない!という子もいたので、その子にとっては巻き込まれてしまった感もあります。

いずれにせよ4人は予言を聞いてしまいました。

それぞれにどんな影響が出てくるのでしょう。

登場人物|ゴールド家の4人きょうだい

  • しっかり者のヴァーヤ・13歳
  • リーダー的なダニエル・11歳
  • 好奇心が旺盛のクララ・9歳
  • 末っ子のサイモン・・・7歳

あらすじ

焼きたてのエッグタルト屋さんの行列に並んでいたら、2人の少年の話が聞こえてきた。

「スター通りのマンションに住んでいる女占い師は人の死ぬ日がわかるんだって」と。

きょうだいの1人はその話にドキドキと胸が高鳴る。知りたい!と。

4人はその女占い師を探し出し、親に内緒で訪ねに行く。

女占い師から「知りたいなら1人づつ中に入っておいで」と言われ入っていく。そして「聞いた結果は誰にもいうんじゃない」と告げられる。

ドア

4人はその不吉さから、誰にも内容を話さず、言い付けを守りました。

しかし10年後、あるきっかけから、ついに全員の予言を知ってしまう日が来てしまいます。

死ぬ日を知るとどうなるのか

占い師を訪ねた後は、きょうだい一人ひとりの短編集形式に変わっていきます。

末っ子から始まり→二女→長男、そして最後が長女

死ぬ日まで、それは短いのか長いのか

短ければやけくそになって荒れていくのか

長ければ心に余裕ができて人生を楽しめるのか

あの日、女占い師は言いました。

「古代ギリシャ哲学者のヘラクレイトスはこう言ったんだよ」

性格は運命なり

性格と運命。この二つは切っても切れない。

だから「未来を知っても、たいていの人は変われない」と。

どういうことでしょう。

同じことを聞いても運命はその人の性格次第・・・ということでしょうか。

どう生きていこう

予言の中の運命を信じるのではなく、自分の選択を信じる。

そう生きていきたい。

強くそう感じました。自分が嬉しくなる予言は取り入れ、恐怖予言は深くは受け止めない。

ですが10歳前後の頃にそんな強烈な予言を聞いたならどうなんでしょう。

ことあるごとにそれが呪文のように蘇ることがあるんじゃないでしょうか。

無意識のうちに予言に寄せていく行動をとっていくかもしれない。

でもそれは子どもに限らず、大人でもきっとそうでしょう。

性格は運命なり

気がついた時からでも自分はどういう性格なのか、一度考えてみるのも良いかもしれません。

まとめ

総数464ページのかなりの長編小説ですが、中身は4人の短編集です。

それぞれの立場で、生きることを考えられるようになっています。

だけど死が関わっているテーマなので、読み終えた後もしばらくはズーンと背中に重いものを背負っている感覚でした。

でも読んで良かったと思っています。

それではまた。