感想|YOKO ONO『グレープフルーツ・ジュース』|心の奥をそっと開く言葉たち

オノ・ヨーコさんの『グレープフルーツ・ジュース』は、読むだけでなく“感じる”アートブック。今まで開いたことのない心の扉をそっと叩いて、新しい世界を見せてくれるような本!

『グレープフルーツ・ジュース』との出会いは、図書館での何気ないひとときでした。

本棚から手に取って中のメッセージを読んでいると、不思議と心にピンとくるものがあり、気づけばネットで注文していました。

届いたのは、図書館で手にした単行本ではなく、文庫サイズの小さな本でしたが、手元にあるだけでなんだか嬉しくて、ふとした時にページを開きたくなります。

ということで、この本を通じて感じたことに触れていきたいと思います。

書籍情報

初版発行年
1964年、500部の限定版として東京で出版される。

英語版発行年:
1970年、ロンドンで出版、1971年にはニューヨークで出版。

1993年:1970年から長い時を経て33人の写真家が参加し再び『グレープフルーツ・ジュース』が講談社から発行。訳は南風椎(はえ・しい)さん。

1998年:文庫本で発行。

『グレープフルーツ・ジュース』の持つ心地よさ

『グレープフルーツ・ジュース』は、短い命令文が並ぶ、各ページが小さなアート作品。写真もモノクロなので、静かに五感に響いてくる感じです。

「〜しなさい」という命令の形は、時に威圧感を与えることがありますが、この本では不思議とそうは感じません。

それどころか、まるで自分自身で何かに気づいたかのような、心地よい発見をもたらしてくれるのです。

グレープフルーツジュース

日々の中で、こんな感覚に襲われることはありませんか?

  • なんだかうまくいかない…
  • 願いがなかなか叶わない…
  • 動けない…
  • なんだかきつい…

こんなときは、自分が見えなくなっているのでしょう。

たとえ順調に見える日々でも、「他者が考えたこうあるべき」に支配されて、本当に望む形がわからなくなることもあるかもしれません。

グレープフルーツジュース

私はそんな迷いの中で、『グレープフルーツ・ジュース』に出会いました。一つひとつの文章を読むたびに、ふと立ち止まり、自分を見つめ直すきっかけをもらったように感じました。


ヨーコさんの、今まで聞いたことがないような「命令」が、少しずつ心の奥に響いて、自分にとって大切なものが見えてきた気がします。

この本に出逢ったら、きっと同じように感じる人もいるのではないかと思います。

オノ・ヨーコさんってどんな人?簡単プロフィール

Yoko Ono
生年月日: 1933年2月18日
出身地: 日本(東京都)

オノ・ヨーコさんは、日本を代表する芸術家、音楽家、そして平和運動活動家です。

裕福な家庭に生まれ、幼少期から音楽や芸術に親しむ。学習院大学からアメリカのサラ・ローレンス大学で作曲と作詞を学び、その後も、国際的なアーティストとして活躍中。

グレープフルーツジュース

1969年にビートルズのメンバーであるジョン・レノンさんと3度目の結婚をし、1975年に長男ショーンが誕生。

ジョン・レノンとヨーコさんは、二人で平和活動や音楽、創作活動を共に行い、多くの注目を集めました。しかし、1980年12月8日の夜、レノンさんは凶弾に倒れ、享年40歳でこの世を去りました。

ジョン・レノンの死後も、ヨーコさんは平和へのメッセージを発信し続け、多くのアート作品を世に送り出しています。

グレープフルーツジュース

ヨーコさんの作品は、型にとらわれない自由な発想が特徴でしょうか。

代表作のひとつであるこの『グレープフルーツ・ジュース』もその一例で、読むだけで不思議な感覚に引き込まれるアートブック。

「従来の枠を超える」という表現がぴったりの作品。

「こんな形のアートもあるんだ」と新しい視点を与えてくれるものばかりです。

ヨーコさんにとってアートとは、生きることすべてを意味しているそうですよ。

まとめ

『グレープフルーツ・ジュース』は、心の扉をそっと開き、新しい視点を与えてくれる一冊です。

一言でいうと「心に光が差し込む本」!

シンプルな言葉に、自分自身と向き合うヒントが詰まっていますよ!

thank you