感想|カミラ・グルドーヴァ『人形のアルファベット』読むことは、意識をほどくこと
表紙のミシンがとても印象的な、カミラ・グルドーヴァ作の『人形のアルファベット』。 ミシンには「眼」や「腕」「足」が描かれていて、まるで生きているように見える。 この擬人化されたミシンに、何を語らせようとしているのだろう・...
海外文学・小説表紙のミシンがとても印象的な、カミラ・グルドーヴァ作の『人形のアルファベット』。 ミシンには「眼」や「腕」「足」が描かれていて、まるで生きているように見える。 この擬人化されたミシンに、何を語らせようとしているのだろう・...
海外文学・小説サミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』は、 不条理劇というジャンルを代表する作品です。 と聞くと、 なんだか難しくて暗い話を想像してしまいます。 けれど実際に読んでみると、意外にも軽やかで、どこかコントのような...
海外文学・小説M・W・クレイブンの『恐怖を失った男』(原題:FEARLESS)を読みました。 表紙の男性はかなりワイルドですね。 まるで恐怖を失った人間が持つ独特の怖さを映し出しているようです。 これまで親しんできたワシントン・ポーシ...
海外文学・小説ステファン・テメルソンの『缶詰サーディーンの謎』(原題The Mystery of the Sardine)を読みました。 舞台はイギリス〜〜マヨルカ島〜〜ポーランド。 タイトルから推理小説を想像しましたが、実際にはもっ...
海外文学・小説『ドリアン・グレイの肖像』は、ずっと気になっていた一冊でした。 美しい主人公が肖像画を描いてもらう物語で、どこか神秘的で、少しこわい話だということは、なんとなく知っていました。 でも実際に読んでみると、それ以上に深く、心...
海外文学・小説目立つ者と、目立たない者。孔雀のように飾り立てた国家と、雀のように息をひそめる人々。 I・S・ベリーのスパイ小説『孔雀と雀』(副題:アラブに消えゆくスパイ)は、 バーレーンを舞台に、任務の終わりを迎えるスパイが、変わりゆ...
海外文学・小説もし、誰かを深く想い続けることが「狂気」と呼ばれるなら、 私たちは、いったいどこまでなら正気のまま愛し続けることができるのでしょうか。 ニザーミーの叙情詩『ライラとマジュヌーン』は、 そんな問いを、まるで一編の祈りのよう...
海外文学・小説リスボンといえば、ヨーロッパの西の果て、ポルトガルの首都。 そんな街でブックスパイとはいったい何をするの?と、タイトルにまず惹かれました。 表紙には、青いワンピースの女性が本屋さんで本を読んでいる姿。どこか優雅で、静かな...
海外文学・小説ペルシアの風にゆれる、ひとひらの四行詩。たった四行のなかに、宇宙がある。 「いまを楽しめ」「あしたのことは知らなくていい」千年もの昔、ペルシアの詩人ハイヤームが語りかけたことばです。 それは、いまを生きるわたしたちにも、...
海外文学・小説独特なタイトルに惹かれて手に取った一冊 アグラヤ・ヴェテラニーの『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』は、まっすぐ心に届く物語です。 語り手はサーカス団の一員として家族で各地を転々とする少女。 子どもの目線で...