感想|『孔雀と雀』バーレーンとアラブの春を背景に描く沈黙のスパイ劇
目立つ者と、目立たない者。孔雀のように飾り立てた国家と、雀のように息をひそめる人々。 I・S・ベリーのスパイ小説『孔雀と雀』(副題:アラブに消えゆくスパイ)は、 バーレーンを舞台に、任務の終わりを迎えるスパイが、変わりゆ...
目立つ者と、目立たない者。孔雀のように飾り立てた国家と、雀のように息をひそめる人々。 I・S・ベリーのスパイ小説『孔雀と雀』(副題:アラブに消えゆくスパイ)は、 バーレーンを舞台に、任務の終わりを迎えるスパイが、変わりゆ...
アンソニー・ホロヴィッツの人気シリーズ第5弾『死はすぐそばに』を読み終えました。 これまでのホーソーン&ホロヴィッツシリーズ一覧(1〜5作) 第1作 『メインテーマは殺人』 The Word Is Murder( 201...
もし、誰かを深く想い続けることが「狂気」と呼ばれるなら、 私たちは、いったいどこまでなら正気のまま愛し続けることができるのでしょうか。 ニザーミーの叙情詩『ライラとマジュヌーン』は、 そんな問いを、まるで一編の祈りのよう...
もともと古代エジプトの世界には不思議と惹かれるものがありました。 ピラミッドやミイラ、そして「死者の書」に描かれた冥界の旅。 そんなエジプトの神秘と、ミステリがどう交わるのか気になって、手に取ったのが白川尚史さんの『ファ...
リスボンといえば、ヨーロッパの西の果て、ポルトガルの首都。 そんな街でブックスパイとはいったい何をするの?と、タイトルにまず惹かれました。 表紙には、青いワンピースの女性が本屋さんで本を読んでいる姿。どこか優雅で、静かな...
ペルシアの風にゆれる、ひとひらの四行詩。たった四行のなかに、宇宙がある。 「いまを楽しめ」「あしたのことは知らなくていい」千年もの昔、ペルシアの詩人ハイヤームが語りかけたことばです。 それは、いまを生きるわたしたちにも、...
今回読んだのはM・W・クレイヴンの『ボタニストの殺人(原題The Botanist)』 今作は上下二巻セット。 ワシントン・ポーとティリー・ブラッドショーの名コンビが活躍する、シリーズ第5作目です。 第1作『ストーンサー...
『ターングラス』のタイトルの下には、副題として「鏡映しの殺人」という言葉が添えられています。 読み終えてその意味がわかってくる頃には「鏡映し」の効果がじわじわと沁みてきます。 物語は二つ収められていて、 ひとつは1881...
独特なタイトルに惹かれて手に取った一冊 アグラヤ・ヴェテラニーの『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』は、まっすぐ心に届く物語です。 語り手はサーカス団の一員として家族で各地を転々とする少女。 子どもの目線で...
アンソニー・ホロヴィッツのホーソーン&ホロヴィッツシリーズ。 1作目『メインテーマは殺人』2作目『その裁きは死』3作目『殺しへのライン』 今回読んだのは、第4作目となる『ナイフをひねれば』です。 これまでは、ホロヴィッツ...